こんにちは、めぐーるギフトです。
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突然ですが、皆さん「お盆玉」という言葉をご存知ですか?この言葉、2005年頃から毎年7月~9月になると、ネット検索する人が急増し、その傾向は年々強くなっています。「お年玉」ならぬ「お盆玉」ということで、何となく想像はつきますが…。そうです!簡単に言うと「お年玉の夏バージョン」です。
今回は徐々に世間に浸透しつつある(!?)「お盆玉」について発祥や名前の由来から世間の人々の受け止め方までくわしく調べてまいりました。
「お盆玉」をもらう方は嬉しいばかりでしょうが、(自身も含め)あげる立場の者にとっては、無視できない問題だと思いますので、ぜひご参考ください。
1.お盆玉とは?
お盆時に「実家の祖父母」が「帰省した孫や子供」にあげるお小遣いのことです。以前からめったに会えない孫や子供にちょっとお金を持たせる習慣自体はあったようには思いますが、2010年頃から「お盆玉」という言葉が広まってきて、ちょうど適当な言い回しが登場したという感じでしょうか。もちろん、そんな習慣がなかった家庭にとっては「なんて余計なことを!」というのが正直な感想だと思います。ちなみに、逆に子供が両親(孫にとっては祖父母)に「心付け」として「お盆玉」を渡す場合もあるようです。
2.お盆玉はいつから始まった?-ルーツと発祥地域を探る-
言葉が知られ始めたのは2010年頃とまだ最近ですが、ルーツは江戸時代に遡ります。発祥は東北地方・山形県の一部地域で、夏の時期に奉行人(主家に使える人)にねぎらいの意味で下駄や衣類を渡していた風習がルーツと言われています。
それが昭和初期頃には、子供にお小遣いをあげる「お盆小遣い」に変化していったようです。山形県立博物館の資料『(山形県)大江町の年中行事』という刊行物の中に
旧暦7月14日の盆の項目で、『子供たちに小遣いを与えたりするのは、今も昔も変わりがない。十四日の小遣として深沢あたりでは、一子供らと雇人は、お盆小遣いとして五十銭ぐらい戸主から貰うのが普通であった。昭和の始めの五十銭は農家一日の手間に等しかった。お盆小遣は何処でもあったが戦後なくなり、近頃又復活している』
とあります。
「農作業で一日働く分の手間賃=50銭」を一度にお小遣いとしてもらえたなら、相当嬉しかったでしょうね。これが現在の「お盆玉」のルーツと言われています。
3.お盆玉の名前の由来は?
「お盆玉」という言葉が世に出たのは山梨県にある紙製品や包装資材を扱うメーカー株式会社マルアイに端を発します。株式会社マルアイのサイトには
●お盆玉とは・・・・
お盆に田舎に帰省した子どもや孫、また祖父母にお小遣いをあげるという新しい習慣を広げる為に、2010年より夏の風物詩をデザイしたポチ袋を「お盆玉」として販売を始めました。「お盆玉」の名称はマルアイで作った造語で、商標登録をされています。引用: 〇愛マルアイ
とあるように「お盆玉」は株式会社マルアイが作った造語であり、商標登録もしています。※平仮名表記「おぼんだま」も商標登録済み。
4.普及のきっかけは?
根底にあるのは「企業の販売戦略」といっても過言ではないでしょう。
4-1.2010年株式会社「マルアイ」ポチ袋販売開始
マルアイは「お盆玉」という新しい習慣を普及させ定着させようと、2010年から夏らしいデザインの「お盆玉」用ポチ袋を販売開始。
4-2.2012年大手雑貨店「ロフト」ポチ袋取扱開始
その2年後に大手雑貨店であるLoftが『お盆玉』ポチ袋の取扱を開始。( それから毎年お盆時期にはコーナーを設置して「お盆玉袋」を販売)。
4-3.2014年郵便局によるポチ袋の取扱開始
この頃ぐらいから、元々「お年玉袋」を販売していた郵便局に「お盆玉袋は置いてありませんか」と問合せが増加。そして、2014年7月14日から全国の郵便局でも「お盆玉」専用のポチ袋の販売を開始。それが多くのメディアで取り上げられ一躍全国区になり世間に広まるきっかけとなりました。ちなみに日本郵政によれば、「手紙や贈り物もそうですが人と人とをつなぐのが役割です。お盆玉も人と人とをつなぐきっかけになれば」との理由で販売開始を決めたそうです。
4-5.大手スーパーなどによる商戦
商機となるブームがあれば、すぐに乗っかれる行動力の速さが大手の強みでもあります。「お盆玉」も同じく、あの手この手で商売戦略が練られています。
・イオンモール四條畷(大阪府)真夏の福袋「お盆玉」の1日限定販売【2017.8】
・イオンモール徳島夏の福袋「お盆玉」販売会【2017.8】
・すき屋(一部のイオンモールで)「夏の福箱」(=お盆玉福袋)1,000円(税込)販売【2017.8】
・スガキヤ(一部のイオンモールで)「スガキヤお盆玉」1袋2,000円(税込)販売【2017.8】
↓↓こちらは「スガキヤ夏袋」(2019年版)だそうです。
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イオンモールが主導して協賛店を募り実施しているようですね。大手でなくてもスーパーや個人商店、パチンコ店(!?)等で行っているところもあるようですので、探せばお得な情報がもっと見つかるかもしれません。「お盆玉」に絡めてセールを企画する企業側の背景には、夏には、クリスマスや正月といった季節商戦がないので、何とか消費者の購買意欲を高めようという思惑があるようです。そう考えると、「お盆玉」は今後も夏の定番として私たちの身近なものになっていくような気がします。(ハローウィンや友チョコが急激に定番化したように)
5.お盆玉はどれくらい浸透しているのか?
では、実際「お盆玉」はどれくらい世間の人に認知され浸透してきているのか?気になったので、データを探したところお盆のお小遣い「お盆玉」、3割のシニアに浸透。前年の2割弱から大幅上昇。
【対象者】全国55~74歳の男女 合計2,070人
たった1年で認知度は「12.3%」も上昇したとのこと。原因としては先述した「企業の積極的な販売戦略」が背景にあるように思いますが、2018年以降もこの傾向が続くのは間違いないように思います。
実際ネット上には中高生と思われる人から既にたくさんのつぶやきが…
・そうそう! お盆玉も祖父母から貰えるし8月はお財布が潤う…… 幸せ…… 大人になるのつらい……
・友達がお盆に帰省した時に頂くお金をお盆玉って言ってて何かを感じる
・お兄ちゃんがちょっと早いけどお盆玉くれた! 優しい!!
・8月は何としても帰らねば!お盆玉が待っている!
・おじちゃん、お盆玉ちょうだい!
もらう側としての期待値の高さがうかがえます。「可愛い孫や子供、甥姪が喜んでくれるなら」とお盆玉をあげる大人達が今後増えてもおかしくない状況です。
他方、この新習慣に戸惑いを隠せない人も少なからずいます。
・お盆玉とか変な風習を作らないでください
・私はお盆玉とかいうわけのわからない制度で来月は甥様と姪様に詐取される予定w
・そしてお盆玉なるものを忘れてもらうのさ!
・夏はお年玉ならぬ「お盆玉」というのを文具業界は推している……払う方は大変だな……
・私もお盆玉ほしい。ていうかボーナスも出ないけど…(´・ω・`)
等々、出費がかさむことなので反対派の人々の切実な声が多数聞かれます。
まとめ
今回は、「お盆玉」について、始まりから現在の浸透ぐあいまで調べてみました。
ブームの裏には何らかの事情があるのが世の常ですが、「お盆玉」も例外ではないようです。今後もおそらく関係企業、また「もらう立場」の人を中心に発信され広がりを見せていくと思います。将来的に定着するのか、またどういった形で私たちの生活に溶け込むのか、まだまだ未知数ですが、いずれにせよ人間関係にプラスに働く形で浸透してほしいものです。
この記事が皆さまの毎日にとって少しでもお役に立てれば幸いです。
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